--- title: "Google Ad Grantsは一般社団法人でも使えるのか?対象条件と申請前の確認事項" description: "Google for Nonprofitsの日本向け資格では、一般社団法人の表記から法人税法上の非営利型という限定が外れています。旧表記との違い、Goodstackの団体確認、申請前の判断を整理します。" date: 2026-03-29 updated: 2026-07-21 category: "Google Ad Grants" tags: ["一般社団法人", "申請・審査"] official_sources: ["google-nonprofits-japan-eligibility", "google-nonprofits-five-steps", "google-nonprofits-goodstack-verification", "goodstack-verification-process", "goodstack-personal-work-email", "google-ad-grants-website-policy", "nta-general-incorporated-tax"] related_articles: ["google-for-nonprofits-verification-failure-goodstack", "google-ad-grants-website-requirements"] draft: false --- Google for Nonprofitsの現在の日本向け参加資格には、対象となる法人格として「一般社団法人」が記載されています。一般社団法人は、Google for Nonprofitsの団体確認を経てGoogle Ad Grantsへ申請できます。 ただし、同じGoogle公式ページは以前、「法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人」と案内していました。現在は「一般社団法人」だけになっていますが、表記を変えた理由や対象範囲を広げた意図は公式に説明されていません。 現在の短い表記だけをもって、税務上の非営利型要件が撤廃されたとも、すべての一般社団法人が承認されるとも断定できません。申請時点の参加資格を確認し、Goodstackによる団体確認へ進みます。判断が分かれる場合は、Google for Nonprofitsの公式サポートにも確認した方が良いです。 ## 非営利型の限定表記は現在の公式ページから外れている 2026年7月21日に確認したGoogle for Nonprofitsの日本向け参加資格には、一般社団法人が記載されています。公益社団法人や公益財団法人、特定非営利活動法人、社会福祉法人も対象です。現在の一覧では、一般社団法人に法人税法上の「非営利型法人」という限定は付いていません。以前の同ページは、対象を「法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人」と案内していました。 Googleは、現在の表記へ変えた理由や適用範囲について説明を掲載していません。表記が短くなった事実と、参加資格が実際に広がったかどうかは分けて考える必要があります。 政府機関や病院・医療団体、学校・大学などは原則として対象外です。関連する慈善部門や財団は対象になる場合があります。一般社団法人という法人格だけを見るのではなく、団体が対象外の組織に該当しないかも確認します。 申請から利用開始までは、次の3段階に分けて考えると混同を避けられます。 | 段階 | 主に確認されること | 通過後の状態 | |---|---|---| | Google for Nonprofitsの参加資格 | 現在の日本向け一覧に含まれる法人格か、対象外の組織ではないか | 団体確認へ進める | | Goodstackの確認 | 団体の登録と活動状況、非営利性、公益性、申請者との関係 | Google for Nonprofitsを利用できる | | Google Ad Grantsの有効化 | 広告のリンク先となるウェブサイトがプログラム要件を満たすか | Ad Grantsアカウントを利用できる | Google for Nonprofitsの承認後も、Google Ad Grantsは個別に有効化します。団体確認の完了と、広告を掲載できる状態になることは同じではありません。 ## 税務上の非営利型法人とは分けて考える 一般社団法人には、法人税法上の「非営利型法人」と「非営利型法人以外の法人」という区分があります。国税庁は、非営利型法人を公益法人等として扱い、収益事業から生じた所得を課税対象としています。非営利型法人以外は普通法人として扱われ、すべての所得が課税対象です。 これは法人税の取扱いを決める区分です。Google for Nonprofitsとは別の制度ですが、以前のGoogle公式ページはこの税務上の区分を参加条件の文言に使っていました。現在はその限定が見当たらないため、旧表記だけで現在の申請可否を決めることはできません。 一方、現在の「一般社団法人」という表記から、非営利型以外の一般社団法人も承認されると読み切ることもできません。変更の意図が公表されていない以上、申請時点の公式ページとGoodstackから求められる確認内容を基準にします。必要であればGoogle for Nonprofitsのサポートへ団体の状況を伝えて確認します。 反対に、Google for Nonprofitsへ承認されたことが、税務上の非営利型法人に該当する証明にもなりません。定款や役員構成が非営利型法人の要件を満たすかは、必要に応じて税理士などの専門家へ確認します。 ## Goodstackでは団体と申請者が確認される Google for Nonprofitsの団体確認は、審査担当パートナーのGoodstackが行います。Goodstackは団体が現地の規制当局から慈善・非営利組織として認められているかを確認します。非営利で運営され、公益のために活動していることも確認対象です。団体の登録状態と、申請者がその団体に関係していることも調べます。 申請時は登記上の法人名と法人番号、所在地を正しく入力します。公式ウェブサイトの団体情報も同じ表記にします。追加情報や書類を求めるメールが届く場合があるため、申請後はGoodstackからの連絡と迷惑メールフォルダを確認します。 団体ドメインの業務メールは、申請者との関係を確認しやすくするため推奨されています。ただし、Goodstackは個人メールで申請したことだけで審査結果へ自動的に影響するわけではないと案内しています。業務メールを用意できない団体は、個人メールが直ちに不承認になると考えるのではなく、所属を示す追加確認に対応できるようにします。 ## Ad Grantsではウェブサイトを別に審査する Google Ad Grantsでは、広告のリンク先となるウェブサイトが審査されます。団体がサイトの内容と技術設定を管理でき、使命と活動内容が分かることが必要です。独自で十分な情報があり、スマートフォンでも使いやすくします。すべてのページをHTTPSで安全に表示することも求められます。 有料の事業や物品販売を行っている一般社団法人もあります。収益事業があることだけで対象外になるわけではありません。ただし、サイトの主な目的が販売になっている場合は注意が必要です。活動と関係のない商業活動が中心のサイトも、Ad Grantsのウェブサイトポリシーに適合しません。 サービス紹介や料金表を掲載する場合は、その事業が取り組む社会課題を説明します。誰にどのような価値を届け、収益がどのように活動を支えるのかも示します。団体概要と役員や運営主体、活動報告、問い合わせ先は確認しやすい場所に置きます。 ## 申請前に5項目を確認する 制度の確認とサイト改善を一度に進めると、何が未完了なのか分かりにくくなります。次の順番で確認すると、審査ごとの準備を分けられます。 1. Googleの日本向け参加資格で一般社団法人が対象に含まれていることと、掲載文言に変更がないかを確認します。 2. 登記上の法人名、法人番号、所在地と、公式サイトに掲載する団体情報を一致させます。 3. 申請を担当する人のGoogleアカウントを決め、団体との関係を示せる情報を用意します。 4. ウェブサイトの使命、活動内容、運営主体、問い合わせ先、独自コンテンツ、HTTPS、スマートフォン表示、リンク切れを確認します。 5. 判断が分かれる場合は公式サポートへ確認した上でGoogle for Nonprofitsへ申請し、団体確認の完了後にGoogle Ad Grantsを個別に有効化します。 既存のGoogle for Nonprofitsアカウントがある場合は、新規申請ではなく管理者へのアクセス申請が案内されます。担当者の退職などで管理者が分からないときも、同じ法人のアカウントを重複して作る前に既存アカウントの有無を確認します。 ## 広告の目的は団体の使命から決める 一般社団法人だから広告の目的を認知だけに限定する、というルールはありません。相談者やサービス利用者へ必要な情報を届けることも目的になります。イベント参加者やボランティアを募り、寄付や会員登録につなげる設計も可能です。団体の使命に沿って目的を選びます。 大切なのは、広告で獲得したい行動とウェブサイトの内容が一致していることです。広告費の無償枠を使い切ることを先に置かず、誰に何を届けるのかを決めます。その人に選んでもらう行動も明確にします。その上で問い合わせや申込、寄付完了などを計測できるページと導線を整えます。 申請を検討している一般社団法人は、以前の非営利型という表記だけでも、現在の短い法人格表記だけでも可否を決めないでください。Googleの日本向け参加資格を確認し、Goodstackの団体確認とAd Grantsのウェブサイト要件を順に点検します。この3段階に分けると、次に確認すべき相手と準備が明確になります。