--- title: "地域団体がGoogle Ad Grantsの対象地域を決める方法" description: "地域で活動するNPOがGoogle Ad Grantsの対象地域を決める方法を解説します。支援利用者、参加者、寄付者を分け、地域名キーワード、所在地設定、検索需要、リンク先、完了地点を確認します。" date: 2026-02-01 updated: 2026-02-01 category: "Google Ad Grants" tags: ["地域NPO", "広告配信"] official_sources: ["google-ad-grants-account-management-policy", "google-ads-location-targeting", "google-ads-advanced-location-options", "google-ads-location-presence", "google-ads-keyword-planner", "google-ads-keyword-planner-forecasts", "google-ads-search-terms-report", "ad-grants-conversion-tracking"] related_articles: ["google-ad-grants-results", "adgrants-vs-paid-ads-strategy"] draft: false --- 地域で活動するNPOだから、Google Ad Grantsと相性が良いとは限りません。活動地域に検索する人がいて、対象者が利用できるページと完了地点があるかで判断します。地域名をキーワードへ加えるだけでは、広告を見せる地域を制御できません。 最初に分けたいのは団体の所在地、サービスを利用できる地域、検索者がいる地域です。寄付者や家族が地域外にいる場合は、支援対象の地域とも異なります。キャンペーンの対象地域は、誰へ何を届けるかに応じて決めます。地域イベントの認知広告やGoogleビジネスプロフィールには別の判断が必要です。 ## 団体の所在地ではなく広告の相手から決める Ad Grantsのアカウント管理ポリシーは、団体の情報やサービスが役立つ地域へ広告を表示するよう求めています。団体の事務所がある場所を、そのまま全キャンペーンの対象地域にするという意味ではありません。 公式ページには、ネパールで人道支援を行う団体が米国の寄付者を対象にする例があります。全国から来館者を集める美術館は、広い地域向けのキャンペーンを分けます。一方、地域のフードバンクは、活動する町や地域だけへ広告を表示する例が示されています。 所在地より先に確認するのは、広告後の行動を完了できる人がどこにいるかです。相談窓口を利用できる居住地域、会場へ来られる範囲、寄付実績のある地域を分けて記録します。 ## 支援利用者・参加者・寄付者を分ける 同じ団体でも、広告の相手によって適切な地域とページが変わります。一つのキャンペーンへまとめると、地域外からの相談を減らしながら地域外の寄付者を増やすという相反する調整ができません。 | 広告の相手 | 対象地域の考え方 | 検索・ページ・完了地点 | | --- | --- | --- | | 支援サービスの利用者 | 利用資格となる市区町村や通所できる範囲 | 支援内容と地域を探す検索から、対象条件を示すページへつなぎ相談完了を測る | | イベント参加者・ボランティア | 会場へ移動できる範囲や活動地域 | 日程・場所・役割を探す検索から、募集ページへつなぎ申込完了を測る | | 寄付者・地域外の支援者 | 過去の支援地域や募集目的に応じて別に設定 | 地域課題と支援方法を探す検索から、寄付ページへつなぎ寄付完了を測る | これは法人格や団体規模による分類ではありません。同じ相談事業でもオンラインで全国対応するなら、活動拠点より広い地域が対象になります。反対に、地域内の世帯だけを支援するなら、全国へ広げる理由はありません。 ## 地域名キーワードと地域設定は別の条件 「大阪 ひとり親 相談」のような地域名を含むキーワードは、検索内容を表します。Google広告の地域設定は、検索者がいる可能性が高い地域や関心を示す地域を使って広告対象を絞ります。二つは同じ機能ではありません。 大阪にいる人へ「ひとり親 相談」を届けるなら、地域設定で大阪を選び、広告とページで利用地域を説明できます。一方、大阪の家族を支援したい地域外の人も「大阪 ひとり親 支援」と検索する可能性があります。地域名を含むだけで、検索者がその地域にいるとは判断できません。 キーワードと地域設定は、それぞれの役割に合わせて使います。広告文とリンク先を含め、誰がどこから検索し、どの地域の行動を完了できるかをそろえます。 ## 「所在地」と「所在地やインタレスト」を使い分ける Google広告の地域設定は、初期状態では対象地域にいる人だけでなく、その地域をよく訪れる人や関心を示した人も含みます。地元住民だけが利用できる相談では、地域外からのクリックが混ざる可能性があります。 現地での利用が条件になるキャンペーンは、「対象地域にいるユーザー、対象地域をよく訪れるユーザー」という所在地の設定を検討します。地域外の寄付者や家族も対象にする場合は、同じキャンペーンを広げず、所在地やインタレストを含む別キャンペーンにします。完了地点も相談と寄付で分けます。 地域ターゲティングは、利用者の設定や端末等の複数のシグナルから推定されます。Googleは100%の精度を保証していません。設定後も地域別の実績と検索語句を見て、目的外の地域からのクリックが続いていないか確認します。 ## 検索需要は地域ごとに見積もる 地域で検索される量は、団体規模や課題の重要性からは分かりません。キーワードプランナーでは、国や都道府県、市区町村等の地域を指定できます。活動内容に加え、相談や参加、寄付に関する語句を調べます。検索数と予測値は見込みであり、実際の配信を保証しません。 小さな地域では予測の基礎となるデータが少なく、キーワードプランナーの精度が下がるとGoogleは案内しています。検索量が非常に少ない語句は、候補や予測に表示されないこともあります。数値が出ないことを、地域に困り事がない証拠として扱わないでください。 既にサイトを運用している場合は、Search Consoleで地域名と活動内容を含む検索を確認します。Ad Grantsの配信後は検索語句レポートを見ます。プランナーの見込みは、自然検索や広告の実績と分けて残します。予測を事実として報告しないためです。 ## 地域ページに利用条件と完了地点を置く 広告で地域を正しく設定しても、リンク先が団体トップページだけでは利用可否を判断できません。一つのページで、支援を受けられる人と対象地域を説明します。費用や受付時間、利用手順も必要です。会場やオンライン対応の有無、問い合わせ先、最終更新日も示します。 地域外の人が利用できない場合は、その条件を広告文とページの上部で伝えます。寄付者向けページでは、どの地域で何に使うのかを説明します。相談や参加、寄付は完了ページを分けます。地域設定を広げた結果を、異なる成果へ混ぜずに確認するためです。 制度や受付状況が変わったらページを更新し、広告を一時停止する担当者も決めます。検索広告は公開中のページへ人を連れてくるため、受付停止後も古い案内を出し続けない運用が必要です。 ## 配信が少ない理由を地域外へ広げる前に分ける 配信額が少なくても、地域設定が狭すぎるとは限りません。検索自体が少ない場合や、キーワードが配信可能な状態ではない場合があります。広告とページの不一致や、入札目標に必要な完了を計測できていない可能性も調べます。 助成枠を使うためだけに全国へ広げると、利用できない人からの相談や無関係なクリックが増えます。検索需要が小さくても必要な相談が成立しているなら、消化額を増やす必要はありません。検索される前の人へ知らせる必要がある場合は、有料広告や地域の広報等を別に検討します。 ## 七つの確認から対象地域を決める キャンペーンを作る前に、広告の相手を一人に絞ります。次の順番で条件を一枚にすると、地域を広げる理由と絞る理由を説明できます。 1. 支援利用者、参加者、寄付者から、増やしたい一つの相手を選びます。 2. その人が完了できる行動と、成立を確認する記録を決めます。 3. 利用・来場が必要な地域と、地域外からの支援を含める範囲を分けます。 4. 「所在地」と「所在地やインタレスト」のどちらを使うか決めます。 5. キーワードプランナーとSearch Consoleで、地域別の検索語句を確認します。 6. 対象条件と完了地点を示すリンク先を用意し、広告文と一致させます。 7. 配信後に地域別実績と検索語句を確認し、維持・分割・別手段のいずれかを選びます。 最初に書くのは、団体の住所ではありません。「誰が、どの地域から、何を完了する広告か」を一文にします。その一文から地域設定とリンク先を決めれば、地域団体という理由だけで全国または活動市内へ一律に絞る誤りを避けられます。