--- title: "NPOのSEOにおける基本施策:Googleビジネスプロフィールとサーチコンソール登録" description: "NPOが団体名を知らない利用者や支援者へ情報を届けるには、オーガニック検索の経路が必要です。Googleビジネスプロフィールとサーチコンソールを登録し、検索需要を育てる基本施策を解説します。" date: 2026-02-03 updated: 2026-07-21 category: "広報と集客" tags: ["SEO", "検索流入"] official_sources: ["google-seo-starter-guide", "google-business-profile-eligibility", "google-business-profile-guidelines", "google-business-profile-service-area", "google-business-profile-verification", "search-console-add-property", "search-console-ownership-verification", "search-console-performance", "search-console-performance-limitations", "search-console-performance-use-cases"] related_articles: ["npo-seo-minimum-requirements", "npo-digital-marketing-strategy"] draft: false --- NPOのウェブサイトには、団体名を知らない人へ活動を届ける役割があります。支援を必要とする人は困りごとや地域から情報を探し、支援者は社会課題や参加方法を検索します。こうした人と接点をつくるには、オーガニック検索から見つかるページを育てる必要があります。 SNSや広告は情報を届ける手段になりますが、検索は本人が必要な情報を探した時点で接点を持てる経路です。広告費をかけずにクリックを得られる一方、掲載や順位が保証されるわけではありません。検索される内容に応えるページを用意し、実際の流入を確認しながら改善します。 最初に登録したいのがGoogle Search Console(サーチコンソール)です。対面の窓口や訪問サービスがある団体は、Googleビジネスプロフィールも検討します。登録そのものをSEOの成果にせず、検索需要を知り、正しい情報へ案内する基盤として使います。 ## NPOがオーガニック流入を育てる理由 団体名で検索する人は、すでにその団体を知っています。SEOで広げたいのは、活動分野や地域、必要としている支援から検索する人との接点です。 相談先を探す人は、自分の困りごとや対象地域を検索します。寄付やボランティアを考える人は、関心のある課題と支援方法から情報を探します。団体の都合で付けた事業名だけでは、まだ団体を知らない人の検索と結び付かない場合があります。 オーガニック流入の価値は、訪問者数を増やすことだけでは測れません。必要な人が支援条件を理解できたか、寄付を考える人が活動と資金の使い道を確認できたか、参加希望者が申込まで進めたかを見ます。検索から訪れた後の完了は、アクセス解析や受付記録で別に確認します。 ## サーチコンソール登録で検索需要を記録する サーチコンソールは、団体サイトがGoogle検索でどのように表示されたかを確認するための管理ツールです。登録しても検索順位は上がりませんが、SEOを推測だけで進めないための記録を持てます。 検索パフォーマンスでは、表示回数とクリック数を確認できます。検索語句と表示されたページも分かります。団体名だけでなく、課題名・地域名・支援内容を含む検索も見ます。どのページが表示されたかを調べると、まだ団体を知らない人との接点が分かります。 検索結果に表示されているのにクリックされていないページでは、タイトルと検索意図が合っているかを確認します。想定していた検索語句で表示されていない場合は、その疑問へ答える情報がページにあるかを見直します。ただし、検索語句の一部はプライバシー保護のため表示されず、表に出る行数にも制限があります。 登録時は、制作会社のアカウントだけに所有権を置きません。団体が管理するGoogleアカウントでプロパティの所有権を確認し、担当者や支援会社には必要な権限を付与します。ドメイン全体を管理できる場合はドメインプロパティ、限定したURLだけを管理する場合はURLプレフィックスを選びます。 ## Googleビジネスプロフィールで地域の接点を整える Googleビジネスプロフィールでは、対象となる団体が所在地や営業時間等を管理できます。その情報はGoogle検索とGoogleマップに表示されます。地域で相談窓口や施設を探す人へ、来訪に必要な情報を届けられます。 NPOという法人属性だけで登録できるわけではありません。営業時間内に利用者と対面する窓口や施設がある団体、または職員が利用者の場所へ訪問してサービスを提供する団体が対象です。事務作業だけを行う拠点やオンラインだけで活動する団体は、プロフィールを作成しません。 利用者を拠点で受け入れる場合は、正確な住所と営業時間を登録します。訪問型で事務所への来訪を受け付けない場合は住所を非表示にし、実際のサービス提供地域を設定します。団体が所有・管理していない借用会場や、常駐する職員がいないバーチャルオフィスを所在地には使いません。 新規作成の前には、団体名と住所で既存プロフィールを検索します。すでに表示されている場合は重複して作らず、オーナー権限を申請します。確認後も団体側のオーナー権限を維持し、外部の支援会社だけが管理する状態を避けます。 ## 登録前に検索の受け皿を一つ決める 二つのツールは、ウェブサイトの情報を代わりに作ってくれるものではありません。登録前に、検索から訪れた人へ最初に読んでもらうページを一つ決めます。 相談支援なら、対象となる人と対応地域を示します。利用条件から相談方法まで、同じページで確認できる状態にします。寄付募集では活動内容と資金の使い道を示し、寄付手続きへ進める導線を置きます。イベントなら対象者と日時、会場、申込期限を公開します。 Googleビジネスプロフィールからは、来訪や相談につながるページへ案内します。サーチコンソールでは、そのページがどの検索語句で表示され、クリックされたかを確認します。ツールを登録する前に受け皿を決めると、集めた数字を次の改善へつなげやすくなります。 ## 登録後の数字を改善につなげる 登録が終わった時点は、SEO施策の開始です。表示回数とクリック数、サイト内の完了を分けます。差が最初に生じた場所を確認します。 表示回数が増えてもクリックが増えない場合は、ページのタイトルと説明が検索者の疑問を表しているかを見ます。クリック後に相談や申込へ進まない場合は、対象条件と次の行動がページ上で分かるかを確認します。一度の変更だけで因果を決めず、変更前後の同程度の期間を比較します。 Googleビジネスプロフィールでは、所在地と営業時間を現状と照合します。電話番号やサイトURLも確認します。臨時休業や移転があれば、利用者が訪問する前に更新します。地図上の表示だけを成果にせず、電話や予約、来訪等の団体側の記録と分けて確認します。 ## 最初の三か月で基本施策を動かす 最初からすべてのページを改善する必要はありません。検索から届けたい重要なページを一つ選び、登録と月次確認を一巡させます。 1. 利用者、支援者、参加者のうち、最初に情報を届けたい相手を一つ決めます。 2. その人が検索する課題、地域、支援内容を考え、対応するページを整えます。 3. サーチコンソールへサイトを登録し、団体管理のアカウントで所有権を確認します。 4. 対面窓口または訪問サービスがある場合だけ、Googleビジネスプロフィールの対象可否を確認します。 5. 登録時点の表示回数、クリック数、相談や申込等の完了数を分けて記録します。 6. 月に一度、検索語句と表示ページを確認し、意図しないページが表示されていないかを見ます。 7. タイトル、本文、案内導線のうち一つを直し、同程度の期間で変化を確認します。 ウェブサイトを持つ団体は、まずサーチコンソールの所有権が団体にあるかを確認してください。対面接点の要件を満たす団体は、ビジネスプロフィールの所在地と営業時間も現状に合わせます。検索から訪れた人が次の行動へ進めるページを一つ育てることが、NPOのSEOを継続する最初の施策になります。