--- title: "NPOサイトで最初に整えたいSEOの基礎" description: "NPOサイトのSEOで最初に整えたい情報、ページタイトル、内部リンク、クロール・インデックス、URL、更新方法を解説します。検索上の接点と相談・寄付等の完了を分け、重要ページを点検する手順を示します。" date: 2026-02-26 updated: 2026-02-26 category: "広報と集客" tags: ["SEO", "サイト改善"] official_sources: ["google-seo-starter-guide", "google-search-technical-requirements", "google-search-title-links", "google-search-crawlable-links", "google-search-sitemap-overview", "google-search-helpful-content", "google-search-url-structure", "google-search-canonical-urls"] related_articles: ["npo-seo-basics-google-business-profile-search-console", "npo-digital-marketing-strategy"] draft: false --- NPOサイトのSEOで最初に行うのは、記事を増やすことではありません。利用者・寄付者・参加者等のうち一人を選び、その人が判断に必要な情報を一ページへまとめます。次に、検索エンジンがそのページを発見して内容を理解できる状態を整えます。 この基礎を満たしても、インデックス登録や検索順位は保証されません。SEOの最低限は検索流入の約束ではありません。重要ページが検索の対象になり、人が次の行動へ進める状態を指します。サイト内の基礎と、GoogleビジネスプロフィールやSearch Consoleの導入は分けて進めます。 ## 最低限のSEOを五つの状態へ分ける 最初に確認するのは、設定項目の数ではありません。情報・タイトル・発見経路・技術・行動の五つが一ページでつながっているかを見ます。 | 状態 | 最低限確認すること | 確認できたと判断する結果 | |---|---|---| | 情報 | 対象者、内容、条件、運営主体が分かる | 読者が自分に関係するページか判断できる | | タイトル | ページ固有の`title`と主見出しがある | 一覧や検索結果で他ページと区別できる | | 発見経路 | メニューまたは関連ページから通常のリンクで移動できる | URLを知らない人も重要ページへ着ける | | 技術 | Googlebotを遮らず、HTTP 200で本文を返す | クロールとインデックス登録の対象になれる | | 行動 | 相談、申込、寄付等の次の手段が動く | 読者がページの目的を完了できる | 検索エンジン向けの技術だけを整えても、利用条件や次の行動が分からなければ成果にはつながりません。反対に内容が良くても、リンクされていないページやエラーになるページは発見されにくくなります。 ## 一人の相手と一つの行動を決める 一ページで最初に決めるのは、誰が何を判断するのかです。支援利用者・寄付者・ボランティア参加者では、必要な説明が違います。 たとえば子どもの居場所を探す保護者には、対象年齢・地域・開催日時・費用・申込方法が必要です。寄付者には、解決したい課題・活動方法・寄付の使途・報告方法・寄付手続きが必要です。両者を一つの「活動紹介」へ詰め込まず、それぞれの判断を完了できるページを用意します。 検索語句を先に並べて本文を作ると、団体が言いたい言葉だけが増えます。まず現場で実際に受けている質問を書き出し、その答えをページへ置きます。検索語句は、読者が使う表現とのずれを後から確認する材料にします。 ## 判断に必要な情報を一ページで答える 重要ページには、対象者・提供内容・利用できる地域や期間・費用・申込条件を明記します。運営団体と問い合わせ先も必要です。活動実績や根拠資料がある場合は、本文から確認できるページへ案内します。 情報量は文字数で決めません。読者が別のページを何度も探さなくても、対象可否と次の行動を判断できるところまで書きます。まだ決まっていない条件は推測で補わず、決定時期や問い合わせ先を示します。 画像やPDFだけに重要な条件を置くと、スマートフォンで読みづらく、更新時の差異も生まれます。募集要項をPDFで配布する場合も、対象者・期間・申込方法等の要点はHTML本文へ残します。 ## ページ固有のタイトルと主見出しを付ける `title`要素には、ページの内容を具体的かつ簡潔に書きます。「活動紹介」「お知らせ」「詳細」のような共通語だけでは、読者がページを区別できません。同じ言葉の繰り返しや、地域名と活動名の不自然な羅列も避けます。 ページ上の主見出しも同じ主題にそろえます。Googleは検索結果のタイトルリンクを、`title`要素だけでなく主見出しやページ上の目立つ文字等から自動生成する場合があります。設定した文言がそのまま表示されるとは限りません。 たとえば主題が不登校相談なら、対象地域と相談内容が分かるタイトルにします。団体名は識別に必要な範囲で加えます。寄付、相談、採用等の別目的まで一つのタイトルへ入れません。 ## 重要ページへ通常のリンクで案内する 重要ページは、トップページのメニューや事業紹介、関連する活動報告等から移動できるようにします。リンクは`href`属性を持つ`a`要素を使い、リンク先が実際のURLへ解決できる状態にします。 リンクの文字は「こちら」や「詳細」だけにせず、「子どもの居場所の利用条件」「継続寄付の申込方法」のように行き先を示します。読者は移動前に内容を判断でき、Googleもリンク先の主題を把握しやすくなります。 XMLサイトマップは重要URLの発見を助けますが、内部リンクの代わりではありません。サイトマップへ載せても、すべてのURLがクロールまたはインデックス登録される保証はありません。新しいサイトやページ数が多いサイトでは、CMSが生成するサイトマップのURLと公開ページを照合します。 ## 検索対象になる三つの技術要件を確認する Googleが示す最低限の技術要件は三つです。Googlebotがブロックされず、ページがHTTP 200を返す必要があります。インデックス登録可能な内容も必要です。三つを満たしても登録は保証されませんが、満たさないページは改善の前提に立てません。 公開したいページに`noindex`が付いていないかを確認します。robots.txtでGooglebotを遮っていないことも必要です。会員向け画面や申込完了ページ等、検索結果へ出す必要がないページとは設定を分けます。 URLが200を返していても、本文ではなく「見つかりません」と表示するソフト404は正常な公開とはいえません。公開ページ・終了ページ・削除ページの役割を分け、終了した募集には終了日と現在利用できる案内を残します。 ## URLの言語より変更時の引継ぎを重視する 日本語URLはGoogle検索で利用できます。日本語だから検索上不利になるという理由で、公開済みURLを英数字へ変更する必要はありません。新規ページでは日本語と英数字のどちらを選んでも、短く意味が分かり、運用し続けられる形を優先します。 同じ内容が複数のURLで表示される場合は、代表となる正規URLを決めます。サイト内リンクとXMLサイトマップは、そのURLへそろえます。`rel="canonical"`も正規URLを伝える方法ですが、Googleが最終的に別のURLを選ぶ場合があります。 URLを変更するときは、旧URLから新URLへ恒久的に転送します。広告・SNS・メール・外部サイトから旧URLへ来る人もいるためです。URLの表記を整える効果より、既存の導線を切らないことを優先します。 ## 事実が変わったときに更新する お知らせを定期的に追加するだけで、サイト全体の順位が上がるわけではありません。Googleも、サイトを新鮮に見せる目的で大量のページを増減したり、内容を変えずに日付だけ更新したりしても順位は向上しないと説明しています。 優先するのは、利用条件や開催日時等の現行情報です。変更があれば重要ページを更新し、更新日と変更内容を確認できるようにします。新しい事実がある活動報告は別ページとして残し、現在の申込条件は固定ページへ反映します。 終了した情報を無条件に削除する必要もありません。活動実績として参照する価値があるページは、終了した事実と現在の案内先を示して残します。内容が重複し、独立して残す意味がないページは、統合先へ転送します。 ## 検索上の接点とサイト内の完了を分ける 検索結果での表示・クリック・検索語句は、Search Consoleで確認します。ページを読んだ後の相談・申込・寄付等は、アクセス解析と受付システムで確認します。検索クリックを寄付や相談の成立件数へ読み替えません。 最初の改善では、重要ページを一つ選びます。変更前の日付・表示回数・クリック数・完了数を記録し、本文や導線を一度にすべて変えません。Google側への反映には時間がかかり、変更しても目に見える差が出るとは限らないためです。 ## 一ページを七段階で点検する サイト全体を一度に直さず、相談や寄付等につながる一ページから始めます。 1. 誰が何を判断し、どの行動を完了するページかを一文で決めます。 2. 対象者、条件、運営主体、問い合わせ先、次の行動を本文で確認します。 3. `title`要素と主見出しを、ページ固有の主題へそろえます。 4. メニューまたは関連ページから、内容が分かる文字でリンクします。 5. Googlebot、HTTP 200、`noindex`、表示本文を確認します。 6. 正規URL、内部リンク、サイトマップをそろえ、変更時は旧URLを転送します。 7. 相談・申込・寄付等を実際に完了し、検索上の接点とは別に記録します。 この一ページが整ってから、同じ手順を次の重要ページへ広げます。記事本数や更新頻度を目標にせず、必要な人が正しいページへ着き、迷わず行動できる範囲を増やしてください。