Google Ad Grantsの平均クリック単価が1ドルでも5ドルでも、その金額だけでは高いか安いかを判断できません。平均クリック単価は広告費をクリック数で割った数字で、寄付や申込が増えたかまでは示さないためです。

Ad Grantsでは、管理画面の費用は現金の請求額と同じ意味ではありません。助成枠をどれだけ使ったかを示します。ただし、限られた助成枠の中で別の配信機会を使う数字でもあるため、成果と切り離して無視することもできません。

平均クリック単価だけでは高低を決められない

Google広告の平均クリック単価は、費用をクリック数で割って算出されます。同じキャンペーンでも、一回ごとの実際のクリック単価は異なります。

実際のクリック単価には、広告ランクのしきい値と競争が関係します。下に競合広告がない場合でも、広告品質やしきい値によって比較的高くなることがあります。高いクリック単価を、競合が多い証拠や検索意図が強い証拠として扱うことはできません。

反対に、平均クリック単価が低いだけで効率が良いとも判断できません。活動と関係のない検索語句から安いクリックを集めても、団体が必要とする寄付や申込にはつながらないためです。

Ad Grantsの費用は助成枠の使用量として読む

Ad Grantsは月額1万米ドル相当の広告予算を提供します。この数字は利用できる上限で、実際に使えることを保証する金額ではありません。助成枠に関連する超過分が団体へ請求される仕組みでもありません。

そのため、管理画面の費用や平均クリック単価を、有料広告の現金支出と同じようには扱えません。たとえば100ドル分の助成枠で10件の申込完了を記録した場合、管理画面上の平均コンバージョン単価は10ドルです。これは現金10ドルを支払ったという意味ではなく、申込完了1件あたりに助成枠を10ドル分使ったという意味です。

月の助成枠が大きく残っているなら、平均クリック単価を下げることだけに意味はありません。一方、予算による表示機会の損失が発生している場合は、高いクリック単価が他の有効な配信を減らす可能性があります。表示シェアと予算による損失率を合わせて確認します。

クリック単価から検索意図を推測しない

有料広告の1ドルは購買意図が強く、Ad Grantsの1ドルは情報収集段階だとは限りません。実際の検索意図は、同じ期間の検索語句とリンク先から確認します。

クリック単価が高い検索語句でも、相談や寄付につながる場合があります。安い検索語句でも、活動名と同じ言葉を別の目的で調べている人が多ければ成果は弱くなります。金額から意図を決めず、検索語句ごとの完了数を見た方が良いです。

検索語句レポートにはプライバシー保護のため表示されない検索もあります。レポートに見える語句だけで全クリックを説明できるとは限りません。テーマ別の実績とリンク先も合わせて判断します。

主要なコンバージョンを決めてから単価を見る

平均コンバージョン単価は、コンバージョンに使われた費用をコンバージョン数で割った指標です。比較する前に、何を主要なコンバージョンへ含めたかを確認します。

寄付獲得キャンペーンで、寄付完了と寄付ボタンのクリックを同じ主要な成果へ含めると、平均コンバージョン単価は低く見えます。しかし、クリックが増えても寄付完了が増えたとは言えません。寄付完了を主要な成果に置き、寄付ページへの移動は中間行動として分けます。

資料請求やイベント申込も同じです。一人の利用者が複数回完了したときのカウント方法によって、コンバージョン数と率は変わります。クリック単価を比べる前に、コンバージョンアクションとカウント方法をそろえる必要があります。

寄付金額を取得できない場合は件数と実績を分ける

外部の寄付システムでは、寄付完了ページへの到達数をGoogle広告へ記録できても、寄付金額を取得できない場合があります。この状態で仮の寄付額を設定すると、コンバージョン値と費用の比率を正確な成果として扱えません。

Google広告では寄付完了件数と流入元を確認します。寄付システムでは実際に成立した件数と金額を確認してください。銀行振込なら申込完了と着金も分けます。この二つを月次で照合すると、広告管理画面の完了数を寄付実績そのものと誤解しにくくなります。

弊社の支援でも、寄付金額を取得できない構成では、確認できる完了件数を主要な成果にしています。金額は寄付システムの成立記録を正とし、クリック単価は完了までに使った助成枠を考える補助指標として扱います。

有料広告と比べる条件をそろえる

Ad Grantsと有料広告の平均クリック単価を並べるだけでは、どちらが効率的かは分かりません。費用の性質とキャンペーンの目的が異なるためです。

比較する項目そろえる条件そろえない場合の問題
検索語句地域、期間、ネットワーク、検索意図異なる需要の単価を比較してしまう
完了地点寄付完了、申込完了など同じ成果中間クリックと最終成果が混ざる
計測方法コンバージョンアクション、カウント方法、計測期間件数と率の定義が変わる
費用助成枠の使用量か現金支出かを明記経済的な負担を同じものとして扱う

同じ条件に近づけても、平均クリック単価だけで優劣を決めません。完了数、コンバージョン率、平均コンバージョン単価を合わせて見ます。寄付金額を正確に送信できる場合だけ、値と費用の比率も判断材料にします。

高いクリック単価を見つけたときの確認手順

平均クリック単価が気になる場合は、単価を下げる前に成果との関係を確認します。次の順番なら、助成枠を使って残すクリックと除くクリックを分けやすくなります。

  1. 同じ期間の費用、クリック数、平均クリック単価を確認します。
  2. 主要なコンバージョンとカウント方法を確認します。
  3. 完了数、コンバージョン率、平均コンバージョン単価を追加します。
  4. 検索語句とリンク先を見て、団体の活動と一致するか判断します。
  5. 助成枠の残りと、予算による表示機会の損失を確認します。
  6. 成果と関係の薄い検索語句、広告、リンク先のいずれか一つを修正します。

まず一つのキャンペーンで、平均クリック単価の隣に完了数と平均コンバージョン単価を追加してみてください。クリック単価が高いかではなく、その助成枠が団体の必要とする完了へつながったかを判断できるようになります。