Google Ad Grantsのクリック単価は、入札方法とキャンペーンタイプによって大きく異なります。弊社の運用データでは、検索キャンペーンの実績平均CPCは手動入札で1.8956米ドル、自動入札として管理したキャンペーンで約5.72米ドルでした。検索語句別の最大平均CPCは、検索キャンペーンで20.00米ドル、P-MAXでは150.55米ドルです。

手動入札には2米ドルの上限入札単価がありますが、コンバージョンに基づくスマート自動入札では、この金額を超えて入札できます。2米ドルは、アドグランツで発生するすべてのクリックに共通する価格の上限ではありません。

管理画面に表示される費用は、団体がGoogleへ支払う広告費ではなく、月額1万米ドルの助成枠をどれだけ使ったかを表します。クリック単価は、クリック自体の金銭的な価値を示す数字ではありません。実際の単価は、キーワードと広告文、リンク先のコンテンツが検索語句にどれだけ合っているかにも左右されます。

弊社が2026年1月1日から9月7日までの検索語句レポートを集計したところ、クリック単価には次の違いがありました。

対象集計したクリック実績平均CPC検索語句別の最大平均CPC
手動入札の検索キャンペーン9,123件1.8956米ドル2.00米ドル
自動入札として管理した検索キャンペーン4,084件約5.72米ドル20.00米ドル
検索キャンペーン全体70,728件20.00米ドル
P-MAX(平均CPCが20米ドルを超える検索語句)46件150.55米ドル

入札方法別の集計には、運用時に手動入札または自動入札として分類していたキャンペーンを使用しています。期間中の設定履歴まで確認できていないものもあるため、平均値は当社データで見られた傾向です。

検索キャンペーンとP-MAXの区分は、同じレポートに記録されたキャンペーンタイプに基づきます。検索キャンペーンには平均CPCが20.00米ドルを超える検索語句がありませんでしたが、P-MAXでは確認できました。

これらはGoogleが公表したクリック単価の相場ではありません。活動分野や検索需要のほか、広告の品質と入札戦略によって結果は変わります。ただし、アドグランツのクリック単価を一律に2米ドル以下とする説明が、現在の実態とは合わないことが分かります。

手動入札は2米ドル付近に集まる

手動CPCとして管理していた12件の検索キャンペーンでは、9,123クリックに対して17,293.23米ドルの助成枠を使用していました。実績平均CPCは1.8956米ドルで、2米ドルという上限の94.8%に当たります。

検索語句ごとに平均CPCを集計すると、全クリックの74.7%が平均1.90米ドル以上の検索語句で発生していました。1クリックだけ発生した検索語句に限っても、80.0%が1.90米ドル以上で、11.3%は2.00米ドルちょうどでした。

この分布から、手動入札ではクリック単価が2米ドル以下になるだけでなく、実際のクリック単価も上限付近へ集まりやすいことが分かります。平均CPCが1.90米ドル前後であることだけを理由に、割高なクリックが増えているとは判断できません。

スマート自動入札では2米ドルを超える

Googleは、コンバージョン数の最大化や目標アクション単価など、コンバージョンに基づくスマート自動入札で2米ドルを超える入札が可能だと説明しています。Googleのシステムがオークションごとに入札単価を決めるため、実際のクリック単価や平均クリック単価も2米ドルを超える場合があります。

検索キャンペーンの最大平均CPCは20米ドル

同じ期間の検索語句レポートには、検索キャンペーンで発生した70,728クリックが含まれます。検索語句別の最大平均CPCは20.00米ドルで、20.00米ドルを超える検索語句は一つもありませんでした。

平均CPCが20.00米ドルの検索語句は3件あり、19米ドル以上は157件、そのうち19.90米ドル以上は16件です。20.00米ドルの3件はいずれも1クリックだったため、複数のクリックを平均した結果ではなく、そのクリックに20.00米ドルが記録されています。

検索キャンペーンが20米ドルを超えない動きは、Googleが公開している仕様ではありません。20米ドルを超える観測がなく、20米ドルちょうどのクリックも確認できたため、検索キャンペーンにはこの金額付近で働く入札制御がある可能性が高いと考えています。

P-MAXの最大平均CPCは150.55米ドル

同じレポートのP-MAXでは、平均CPCが20米ドルを超える検索語句が34件あり、合計46クリックが発生していました。最大平均CPCは150.55米ドルです。

検索キャンペーンと同じ期間のP-MAXで20米ドルを超えているため、市場全体のクリック単価が20米ドルで止まっていたとは考えにくくなります。20米ドル付近の動きはアドグランツ全体やスマート自動入札全体の上限ではなく、検索キャンペーンに限って見られた傾向です。

2米ドルの上限と入札戦略の関係は、Google Ad Grantsの2ドル上限とは?スマート自動入札の仕組みで詳しく説明しています。

月額1万米ドルで得られるクリック数

クリック単価が変われば、同じ助成枠から得られるクリック数も変わります。手動入札で確認した実績平均CPCが続き、月額1万米ドルの利用枠を使い切ると仮定すると、約5,275クリックになります。

10,000米ドル ÷ 1.8956米ドル ≒ 5,275クリック

自動入札として管理した検索キャンペーンの実績平均CPC約5.72米ドルでは、約1,748クリックです。

10,000米ドル ÷ 5.72米ドル ≒ 1,748クリック

どちらも同じクリック単価が続き、月額利用枠を使い切る場合の計算です。制度上の最大クリック数でも、毎月獲得できるクリック数の予測でもありません。実際のクリック数は、検索需要と広告の品質に加え、対象地域や入札戦略によって変わります。

弊社の運用で確認している月間クリック数の水準と、理論値に届かない理由は、Google Ad Grantsの月間クリック数はどのくらい?目安と実績で解説しています。

管理画面の費用は現金支出ではない

Google Ad Grantsの月額1万米ドルは、アドグランツの広告オークションで利用できる月ごとの上限です。団体へ広告費として給付されるものではなく、使った金額をGoogleへ支払う必要もありません。未使用分を翌月へ繰り越すこともできません。

そのため、P-MAXの検索語句別平均CPCに150.55米ドルが記録されても、団体がその金額を支払ったわけではありません。この数字は、検索語句ごとに使った助成枠をクリック数で割った平均です。

有料広告では、クリック単価が団体の現金支出に直接つながります。アドグランツと有料広告に同じクリック単価が表示されても、団体にとっての費用は同じではありません。

クリック単価が高いと何が変わるか

月額利用枠が大きく残っている場合は、クリック単価を下げるだけでは、広告の表示や成果が増えるとは限りません。クリック単価が高くても、そのクリックに同額の金銭的な価値があるわけではありません。

一方、月額利用枠を使い切る場合は、クリック単価が高いほど同じ枠から得られるクリック数が少なくなります。検索する人の意図に合うリンク先を用意し、その内容に合わせてキーワードと広告文を設計すれば、より低い入札でも掲載機会を得やすくなります。同じ助成枠から、活動に関心を持つ人との接点を増やすことにもつながります。

クリック単価が低くても、団体の活動と関係のない検索からの流入では、寄付や相談などの目的につながりにくくなります。高いか安いかは金額だけで決めず、どの検索から、どのページへ人を案内したかと合わせて判断します。

クリック単価を抑えるにはコンテンツの関連性を高める

クリック単価をコントロールする方法は、入札単価の調整だけではありません。検索語句に合うコンテンツを用意し、その内容に合わせてキーワードと広告文を設計すると、広告の品質を高めやすくなります。結果として、より低い入札でも掲載機会を得やすくなります。

その土台になるのが、広報によるホームページ上の情報発信です。活動分野について検索する人の疑問に応えるページを、広報のアウトプットとしてホームページに蓄積すれば、キーワードごとに内容の合うリンク先を用意できます。社会課題の解説や活動報告をSNSだけで終わらせず、検索で見つけられる情報として残すことに意味があります。

一つのページを多くのキーワードに当てはめるより、検索する人の疑問ごとにページの主題を分け、見出しと本文で答える方が関連性を高めやすくなります。その内容に沿って広告文を作れば、検索語句からリンク先までが自然につながります。

クリック単価の高低は、クリック自体の価値を表しません。評価するときは、キーワードとコンテンツの関連性を見ます。広告運用と広報を切り離さず、検索されるテーマに対応したコンテンツを増やすことが、クリック単価を抑えながら助成枠から得られる接点を増やす方法です。