Claude for Nonprofitsは、非営利団体がClaudeのTeamプランやEnterpriseプランを割引価格で利用できるプログラムです。Teamプランは1人あたり月額8米ドルから利用でき、文章の作成や調査に加えて、ファイルを扱うAIエージェントの活用も選択肢になります。
広報原稿を作りたい、資料をまとめる時間を減らしたいなど、団体によって期待する使い方は違うかと思います。割引の大きさだけでなく、いま使っているサービスや担当者の仕事に合うかも、導入を考えるうえで大切です。
ChatGPTやGeminiも比較の候補になります。いまの環境でできることと比べると、Claudeを新しく導入する意味も考えやすくなります。
Claude for Nonprofitsとは
ClaudeはAnthropicが提供するAIサービスです。Claude for Nonprofitsでは、非営利専用のAIではなく、業務用のTeamプランやEnterpriseプランを利用します。
個人での利用と異なり、団体でメンバーや請求をまとめて管理できます。担当者がそれぞれ契約するのではなく、組織として利用環境を持ちたい場合に検討しやすい仕組みです。
使い道は、質問への回答や文章の下書きに限りません。説明資料の作成やデータの整理など、日々の仕事で時間がかかっている部分を任せることもできます。団体の資料を添付し、誰に向けて何を作りたいのかを文章で伝えて使います。
非営利団体向けの料金と対象プラン
2026年9月9日に確認した公式の申込案内では、Teamプランの非営利価格は1人あたり月額8米ドルです。最低2人分の契約となるため、月額16米ドルからになります。
| 項目 | Teamプラン | Enterpriseプラン |
|---|---|---|
| 非営利価格 | 1人あたり月額8米ドル | 営業へ問い合わせ |
| 契約人数 | 最低2人分、20人分未満の契約向け | 大規模な組織向けに個別相談 |
| 利用環境 | 請求・メンバーの一元管理 | データ保持期間の設定など、より高度な管理機能 |
表示価格に税は含まれず、利用量にも上限があります。長い作業を任せる場合は、月額料金だけでなく、利用上限の範囲で必要な作業を終えられるかも検討のポイントです。
TeamプランにはClaude CodeとClaude Coworkも含まれます。Claude Codeは開発作業、Claude Coworkは資料やファイルを扱う仕事などに使えます。担当する業務に合わせて選べるので、全員が同じ機能を使いこなす必要はありません。
対象となる団体とGoodstackでの申請
日本では、NPO法人や一般社団法人など、法人として設立された団体が申請の対象になります。登記前の設立準備段階や、法人格のない任意団体まで対象になるわけではありません。
Goodstackでは、団体名や登録番号から団体を特定し、登録状況を確認します。日本の法人では法人番号が団体を特定する手掛かりになりますが、番号があるだけで割引を受けられるわけではありません。非営利で運営され、社会の利益につながる活動を行っていることも確認されます。
Goodstackの日本向けガイドラインには、一般社団法人も対象として記載されています。ただし、非営利型かどうかなど、日本の税務上の区分に踏み込んだ説明はありません。一般社団法人という法人格だけで判断せず、活動内容や運営の実態を踏まえて審査されると考える必要があります。
Goodstackは、非営利団体向けのサービスを提供する企業に代わり、団体の非営利性や申請者の所属を確認するサービスです。Google for Nonprofitsの団体確認も担当しており、Googleから申し込んだ場合も、申請情報はGoodstackへ送られます。
Teamプランへの申請は、Claude for Nonprofitsの公式ページにあるGoodstackの確認フォームで行います。承認後に届くメールの案内に沿って設定を完了すると、割引価格で利用を始められます。Enterpriseプランでは、Anthropicの営業との手続きのなかで団体確認を受けます。
Goodstackへ先に登録し、団体情報と担当者の所属を確認しておくことで、その後の申請がスムーズに進む場合もあります。Goodstackも、所属確認を早めるために、団体のドメインと一致するメールアドレスでの申請を勧めています。各サービスへの申し込みは必要ですが、団体と申請者の関係が確認できることは手続きを進めるうえで役立ちます。審査の内容は、Goodstackについての記事でも説明しています。
すでに通常価格で契約している場合は、新しい契約を重ねる前に、既存契約への適用方法をサポートへ相談できます。
ClaudeとAIエージェントを実務に活かす
Claudeには、相談しながら文章を整える使い方と、複数の作業をまとめて任せる使い方があります。後者のAIエージェントは、依頼した目的に向けて必要な手順を組み立て、許可されたファイルやツールを使って作業を進めます。
例えば、活動メモと過去の原稿を渡してホームページの記事を作る使い方があります。最初からすべて書かせるだけでなく、足りない説明を探してもらったり、読み手に伝わりにくい部分を一緒に直したりすることもできます。
アンケートの回答を報告資料にまとめる場合は、Claude Coworkにアクセスを許可したファイルを読み込ませ、集計から表や説明資料の作成まで任せる使い方ができます。回答を受け取って人が別のファイルへ転記するのではなく、成果物を作るところまで進められるのが特徴です。
私自身も日々の仕事でAIエージェントを活用しています。依頼するときは、作業の内容に加えて資料の目的や読み手を伝えることも大切です。出てきた結果を読み、修正してほしい点を伝えるやり取りも仕事の一部になります。
AIは資料の意味を取り違えたり、根拠のない内容を加えたりすることがあります。公開や送信の前に人が確認することは必要です。また、ファイルの変更を伴う作業では、元に戻せる状態を保ち、アクセスを許可する範囲を必要なものに絞ることが大切になります。
Gemini・ChatGPTとどう選ぶか
Claudeを導入するかは、団体がすでに使っている環境と、AIへ任せたい仕事から考えると整理しやすくなります。文章作成や調査はほかのAIでもできるため、機能名の多さだけでは決めにくいところです。
Google Workspaceを使っている団体とGemini
Google for Nonprofitsで利用できる無料のGoogle Workspaceには、Geminiアプリが含まれています。すでに利用中の団体なら、追加契約をせずに対応できる仕事もあるかもしれません。
まだ団体の資料の保管場所や共有方法が定まっていない場合は、AIを選ぶ前にGoogle Workspaceの導入を検討する方法もあります。Googleドライブで資料を管理し、担当者同士で共有できる環境は、日常業務にもAIへ渡す資料の準備にも役立ちます。導入についてはGoogle Workspace for Nonprofitsの記事で説明しています。
ただし、Geminiアプリを利用できることと、Gmailやドキュメントの画面内でAI機能を使えることは別です。こうした機能の範囲はWorkspaceのエディションによって異なり、無料版ですべて使えるわけではありません。
メールや資料をGoogle Workspaceへ集めているなら、その環境を生かす使い方は検討しやすいでしょう。一方、Claudeの使い方が業務に合うなら、Workspaceはそのまま使い、一部の担当者がClaudeを併用する方法もあります。Teamプランでは最低2人分の契約が必要です。
ChatGPTを使い慣れている場合
すでにChatGPTを日常的に使っているなら、Claudeへの乗り換えを前提にする必要はありません。同じ資料から原稿を作ったときに、意図に合う文章になるか、修正を頼みやすいかなど、ご担当者が仕事を進めやすい方を選ぶ考え方もあります。
非営利価格があることはClaudeの魅力ですが、それだけで全員に合うとは限りません。必要な成果物を作れるか、確認や修正を含めて仕事がしやすくなるかが、継続して使ううえでは重要です。
チームで使うときの情報共有と注意点
個人で使いやすい方法が、そのままチーム全員に合うとは限りません。同じ団体でも、文章作成に慣れている人と、表計算を中心に仕事をしている人では、AIに任せたいことが異なります。
広報に使うなら、共有している資料のなかで、どれが最新の団体説明や原稿なのかわかると便利です。担当者が別々の古い資料をClaudeへ渡してしまうことを防ぎやすくなります。ただし、同じ資料を使えば同じ品質になるわけではありません。ご担当者が結果を読んで修正できるかも、使い方を考えるうえで大切です。
TeamプランやEnterpriseプランのデータは、明示的に許可した場合などを除き、既定ではモデル学習に使われません。それでも、寄付者の情報や相談記録を自由に入力してよいという意味ではありません。団体内の情報管理方針に加え、接続するサービスや共有先の範囲も関係します。
最初から全員の仕事を変える必要はなく、担当者が使いやすい仕事から取り入れる方法もあります。職員の経験や体制に合わせて考える方が、決まった手順を一律に当てはめるより無理なく使えるかと思います。
AIサービスの導入を迷っている方へ
Claudeの導入を考えている方も、すでにAIを試している方も、気軽にお声がけください。AI活用についての情報交換も歓迎しています。
私自身、日々の仕事でAIエージェントをフル活用しています。機能の紹介だけでなく、実際にどのような仕事を任せ、どう成果物に仕上げているかもお話しできます。そうした実践経験をもとに、ご担当者と一対一で、団体の仕事に合う使い方を考えます。
広告運用などで継続的にお付き合いするなかでは、AIの活用についてもご相談いただけます。団体の業務やご担当者の得意なことがわかると、提案できる内容も変わってきます。日々の仕事に無理なく取り入れられる方法を、一緒に考えていければと思います。