Google Ad Grantsの広告を自分で検索して見つけられなくても、配信が止まっているとは限りません。検索結果は地域や端末、検索時の競争によって変わります。まずGoogle広告の表示回数とステータスを確認してください。
原因は、検索される機会がない状態と、広告を表示できる検索でオークションに負けている状態に分かれます。自動入札の設定や成果計測によって配信が狭まる場合もあります。この三つを管理画面の数字から切り分けると、修正する場所が分かります。
自分で検索した結果だけでは判断しない
Google検索で同じ言葉を繰り返し入力する方法は、配信確認には向きません。表示回数へ影響するうえ、その人の検索環境だけを見ているためです。
特定の検索で確認したい場合は、Google広告の「広告プレビューと診断」を使います。地域、言語、端末を指定できます。
広告が表示されない場合は診断結果を確認してください。ただし、この結果も一回の検索条件を再現したものです。アカウント全体の配信状況は、実際の表示回数やクリック数を優先して判断します。
表示回数がゼロなのか減ったのかを分ける
同じ「表示されない」でも、公開直後から表示回数がない場合と、以前は配信されていた広告が減った場合では確認先が異なります。日付をそろえ、キャンペーンからキーワードまで段階を下げて見ます。
表示回数がゼロなら、キャンペーンからキーワードまで各階層のステータスを先に確認します。停止、不承認、審査中になっていないかを見てください。キーワードが「検索ボリュームが少ない」状態でも、入札を変更しただけでは配信されません。対象地域や開始日、除外キーワードとの競合も確認が必要です。
以前より減った場合は、前の期間と比較します。曜日や季節で検索需要が変わるため、直前の一日だけとは比べません。表示が減り始めた日と、設定変更や入札戦略の学習開始が重なっていないかを変更履歴で確認した方が良いです。
表示シェアから失った機会を確認する
表示回数がある場合は、検索広告の表示シェアを追加します。これは、広告を表示できると推定された機会のうち、実際に表示された割合です。全検索数に対する割合ではありません。
| 指標 | 分かること | この数字だけでは分からないこと |
|---|---|---|
| 検索広告の表示シェア | 表示可能と推定された機会に対する実際の表示割合 | 団体の活動に関する検索需要の総量 |
| 検索広告のインプレッションシェア損失率(ランク) | 広告ランクが理由で表示されなかった割合 | 入札、広告品質、リンク先のどれが主因か |
| 検索広告のインプレッションシェア損失率(予算) | 予算不足が理由で表示されなかった割合 | 追加配信が主要なコンバージョンにつながるか |
表示シェアはキャンペーン、広告グループ、キーワードで確認できます。予算による損失はキャンペーン単位です。数値が表示されないときは、損失がゼロだと決めず、対象期間とデータ量を確認します。
ランク損失を入札だけの問題にしない
ランクによる損失が大きくても、入札を上げれば解決するとは限りません。広告ランクには入札だけでなく、検索時の広告品質や競争状況も使われます。
まず、表示機会を失っているキーワードを選びます。推定クリック率、広告の関連性、リンク先の利便性を確認してください。検索意図と広告文が一致していても、リンク先に回答がなければ一連の改善にはなりません。広告とページを同じ検索意図に合わせます。
Ad Grantsには通常の広告オークションとは別に品質フィルタがあります。この仕組みは関連記事で詳しく扱っているため、ここでは管理画面の損失率だけから「有料広告より不利」と結論づけないことが重要です。
入札戦略の状態と成果計測を確認する
自動入札を使っている場合は、キャンペーンの入札戦略とステータスを確認します。「学習中」なら、設定変更後のデータを集めている段階です。短期間に目標値やキーワードを続けて変更すると、どの調整が配信へ影響したのか分からなくなります。
「制限あり」には複数の理由があります。検索量や入札上限のほか、予算と入札戦略による制限も対象です。ステータスへカーソルを合わせ、表示される理由を確認します。「設定エラー」の場合は、コンバージョン設定が入札戦略と合っているかを確認してください。
寄付や申込を主要なコンバージョンとして使う場合は、その完了が継続して記録されていることも必要です。寄付ボタンのクリックだけを成果にすると、寄付完了ではなくクリックしやすい検索へ入札が寄る可能性があります。目標値を緩める前に、入札が参照する成果を確かめた方が良いです。
検索語句から表示すべき需要を判断する
表示回数を増やすこと自体が目的になると、団体の活動と離れた検索まで広げてしまいます。検索語句レポートで、実際に広告が表示された言葉とリンク先を確認します。
活動と合わない検索が多い場合は、広告グループのテーマを狭めるか除外キーワードを追加します。一方で、主要なコンバージョンにつながる検索が限られているなら、表示シェアの低さだけを理由に対象を広げる必要はありません。
検索語句レポートには、プライバシー保護の基準を満たす検索だけが表示されます。レポートにない検索がすべて無かったとは判断できないため、表示回数やテーマ別の検索語句分析も合わせて見ます。
一つの症状から一つの修正を選ぶ
原因を切り分けたら、同時に複数の設定を変更しません。次の順番で一つずつ確認すると、変更後の結果を説明しやすくなります。
- キャンペーンからキーワードまでのステータスと配信条件を確認します。
- 広告プレビューと診断で、対象地域と端末を指定して理由を確認します。
- 表示シェアと、ランク・予算による損失率を追加します。
- 入札戦略のステータスと主要なコンバージョンを確認します。
- 検索語句とリンク先を見て、表示したい需要かを判断します。
- 広告文、リンク先、キーワード、入札目標のうち一つを修正します。
最初に行うのは、入札単価を上げることではありません。表示が少ないキャンペーンを一つ選び、表示シェアと二種類の損失率を管理画面へ追加してみてください。そこで初めて確認先を決められます。候補は需要不足、広告ランク、予算の三つです。