Google Ad Grantsの運用支援を探すと、「認定」「Google Partner」「公式」といった表記が見つかります。これらは同じ意味ではありません。Googleは現在、Ad Grantsを専門に支援する事業者をCertified Professional Agenciesとして公式サイトに掲載しています。一方、Google PartnerはGoogle広告全般を対象とする会社向けの制度です。

団体が確認したいのは肩書の強さではありません。その表記が何を証明し、依頼する業務がどこまで含まれるかです。認定表示は、掲載元と有効な認定名、対象となる支援範囲を分けて確かめます。

契約前の確認条件として、支援範囲と費用を整理します。アカウント権限と報告、引継ぎも対象です。申請手順や日々の運用方法は、ここでは扱いません。

「公式代理店が存在しない」とは言い切れない

Google Ad Grantsに支援事業者の制度がないという説明は、現在の公式情報と一致しません。GoogleのAd Grants公式サイトには、Certified Professional Agenciesの案内と事業者一覧があります。地域と言語、専門分野で候補を絞れます。その後に各社のウェブサイトや説明を確認して問い合わせる手順も示されています。

ただし、Googleはこの名称を日本語で「公式代理店」と定義しているわけではありません。公式サイトへの掲載はAd Grants専門支援を選ぶ手掛かりになりますが、担当者がGoogleの社員であることや、個別の成果が保証されることを意味しません。「公式」という日本語だけで判断せず、元の制度名と公式ページの掲載を確認する必要があります。

三つの表示が証明する範囲を分ける

支援事業者のサイトで見かける主な表示は、次の三つに分けられます。名称だけで優劣を決めず、証明される範囲と、別に確かめる事項を分けます。

表示確認できること表示だけでは確認できないこと
Ad GrantsのCertified Professional AgencyGoogleのAd Grants公式サイトに専門支援事業者として掲載されていること日本語での担当体制、料金、契約範囲、自団体と近い実績、成果保証
Google PartnerまたはPremier Partner会社がGoogle広告の運用実績、広告費、認定資格に関する現行要件を満たしていることAd Grants公式一覧への掲載、非営利団体の支援実績、担当者個人の経験
事業者独自の「Ad Grants支援」「運用代行」その事業者が掲げるサービス内容Googleの制度による認定、公式掲載、第三者による実績確認

Google Partnerには三つの要件があります。運用成果、管理する広告費、担当者のGoogle広告認定資格です。これはGoogle広告全般の会社要件であり、Ad Grantsに特化した掲載制度とは別です。両方を満たす事業者も、一方だけを満たす事業者も考えられます。

認定表示は公式プロフィールまで確認する

画像として置かれたバッジや「認定」という文章だけでは、現在の状態を確認できません。Googleは、オンラインで使うGoogle Partnerバッジを会社の公開プロフィールへリンクするよう定めています。バッジを押してGoogleのページへ移動し、会社名と表示先が一致するかを確認します。

Ad Grants専門支援については、事業者のサイトだけでなく、Certified Professional Agenciesの公式一覧から掲載を確認します。公式一覧の検索条件に日本語は表示されていないため、日本語対応が必要な場合は、対応言語と連絡方法を事業者へ直接確認してください。地域がAsia Pacificであっても、日本国内での契約や日本語対応を自動的に意味するわけではありません。

Google Partnerバッジのガイドラインは、Googleとの提携関係や所属、Googleによるサービスの推奨を示すような使い方を認めていません。したがって、バッジを「Googleがこの運用サービスの成果を保証している」という意味へ読み替えることはできません。

団体のアカウントと管理権限を維持する

支援を委託しても、Ad Grantsアカウントの主体は団体です。Googleのアクセス案内では、Google for Nonprofitsの管理者として登録したGoogleアカウントを使用します。そのうちAd Grantsの設定に使用したアカウントでログインし、固有の10桁のお客様IDから対象を確認します。

契約前に、団体職員が管理者としてログインできることと、お客様IDを団体内で記録していることを確認します。支援事業者には必要な権限を付与し、退職者や契約終了者の権限を外せる状態にします。事業者しかログインできない、団体がお客様IDを知らない、終了時の権限移管が決まっていない状態は避けた方が安全です。

Googleの第三者ポリシーは、顧客ごとに別のGoogle広告アカウントを使用することを求めています。複数団体の広告を一つのアカウントへまとめる提案や、既存のAd Grantsアカウントを確認せず別アカウントを作る提案があれば、作業を始める前に理由を確認します。

支援範囲と費用を同じ表で比べる

Ad GrantsはGoogleから非営利団体へ提供される現物広告です。支援事業者への支払いは、この広告枠とは別です。申請支援や初期設定に加え、運用・計測・報告などへの費用が考えられます。安さだけで比べると、必要な作業が契約外だったことに後から気付きます。

見積書では、実施の有無と作業回数を同じ形式で並べます。成果物と追加費用も比較対象です。申請状況、サイトポリシー、広告リンク先の確認が含まれるかを見ます。キャンペーン、広告、キーワードを誰が作成・更新するかも明確にします。

計測ではコンバージョンの設定だけでなく、実際の申込記録との照合まで確認します。定期報告には検索語句と変更履歴を含めてもらい、設定内容と判断理由を団体の担当者へ共有する時間も決めます。

Googleの第三者向け案内も、事業者の手数料を含む総費用と広告成果を理解することを勧めています。Ad GrantsではGoogleへの広告費が発生しないため、支払額は「広告費」ではなく、どの支援業務への対価かを分けて記載してもらいます。

掲載順位や成果の保証ではなく検証方法を見る

支援事業者を選ぶときは、大きな成果例より、自団体で何を成果として確かめるかを聞きます。Googleは検索結果の特定位置を保証できないと案内しています。Ad Grantsの月額上限も、毎月その全額が配信される保証ではありません。

団体の最終成果を一つ決めます。寄付や会員登録のほか、相談・資料請求などから選びます。その完了をGoogle広告で確認できるのか、外部システムの成立記録とどう照合するのかを確認します。

月次報告で検索語句と変更履歴を見られることも必要です。クリック数だけの報告では、活動の成果まで判断できません。

契約終了時の引継ぎを開始前に決める

運用中に作られる設定は、次の担当者が理解できる形で残す必要があります。対象は広告とキーワードだけではありません。除外設定や計測、レポートにも及びます。

契約書や見積書には終了後のアカウント権限を記載します。設定の所有とデータの保存期間、最終報告、引継ぎ期間も決めます。

Google PartnerやAd Grantsの公式掲載は、こうした契約条件の代わりにはなりません。認定の確認と契約内容の確認は、別の作業として行います。団体側に運用判断が残る支援であれば、担当事業者が変わっても過去の経緯をたどれます。

五つの資料を揃えてから選ぶ

候補を比較するときは、口頭説明だけで決めず、同じ資料を各社へ依頼します。少なくとも次の五つを揃えると、認定の有無と実際の支援内容を分けて判断できます。

  1. Ad Grants公式一覧またはGoogle Partner公開プロフィールのURL
  2. 支援範囲、作業頻度、担当者、追加費用が分かる見積書
  3. 数値の定義と変更内容が分かる月次報告の見本
  4. 団体と事業者のアカウント権限を示す管理表
  5. 契約終了時の権限解除、データ、設定、最終報告の引継ぎ条件

最初に依頼するのは、認定を証明するロゴ画像ではありません。公式プロフィールのURLと報告書の見本を求めます。権限と引継ぎの説明も同じメールで尋ねると、肩書だけでは分からない支援の中身を比較できます。