Google Ad Grantsには、プログラム全体で2米ドルの上限入札単価が設定されています。コンバージョン数の最大化など、コンバージョンに基づくスマート自動入札では、この上限を超える入札が可能です。

そのため、管理画面に表示される実際のクリック単価が2米ドルを超える場合があります。2米ドルは、すべてのクリックに適用される価格の上限ではありません。2米ドルの上限が適用されるかどうかは、使用している入札戦略によって異なります。

弊社の検索語句レポートでは、検索キャンペーンの検索語句別平均クリック単価は最大20.00米ドル、P-MAXでは最大150.55米ドルでした。入札方法とキャンペーンタイプ別の集計は、Google Ad Grantsのクリック単価はいくら?実績データと助成枠の見方で詳しく説明しています。

2ドル上限を超えられる入札戦略

手動入札とクリック数の最大化には、2米ドルの上限が残ります。コンバージョンに基づくスマート自動入札では、アカウントの掲載結果に応じて2米ドルを超える入札が可能です。

入札方法2米ドル上限との関係ポリシー上の位置づけ
手動入札上限が適用される2019年4月22日以降に作成されたアカウントでは、ポリシー要件を満たさない
クリック数の最大化上限が適用される初期データの収集に利用できるが、その後はコンバージョンに基づく入札戦略への移行が求められる
コンバージョンに基づくスマート自動入札2米ドルを超える入札が可能2019年4月22日以降に作成されたアカウントで求められる

現在のアカウント管理ポリシーでは、2019年4月22日以降に作成されたアカウントにコンバージョンベースのスマート自動入札が求められています。該当する入札戦略は、コンバージョン数の最大化とコンバージョン値の最大化です。目標アクション単価と目標広告費用対効果も含まれます。

手動入札は実務上利用できる

手動入札がポリシー要件を満たさなくても、Google広告の管理画面では入札方法として選択でき、実際に広告も配信されます。手動入札には入札戦略の学習期間がないため、入稿後にインプレッションが発生するまでが早い傾向もあります。

自動入札が成果につながりにくいと判断する検索語句でも、手動入札では広告が表示されることがあります。そのため、配信される検索語句はスマート自動入札と異なる傾向を示します。配信初期に検索語句の広がりが見えやすいことは、手動入札のメリットです。

クリック数の最大化は初期データの収集に使える

コンバージョンデータがない初期段階では、クリック数の最大化を使ってトラフィックとデータを集められます。この使い方は、同時にコンバージョントラッキングを実装し、十分なデータが得られた後にコンバージョンに基づく入札戦略へ移ることを前提としています。

入札の最適化に使う成果は、Google Ad Grantsの成果を測る方法と改善の判断基準で詳しく説明しています。

上限入札単価とクリック単価の違い

上限入札単価は、実際のクリック単価や平均クリック単価とは異なります。実際のクリック単価と平均クリック単価も、それぞれ別の指標です。管理画面で2米ドルを超える金額を見たときは、どの指標が表示されているかによって判断が変わります。

上限入札単価は、一回のオークションへ参加するときの入札上限です。実際のクリック単価は、そのオークションで広告がクリックされたときに発生した金額を示します。平均クリック単価は、一定期間の費用をクリック数で割った金額です。

コンバージョンに基づくスマート自動入札では、運用担当者がキーワードごとに2米ドルの上限クリック単価を設定する必要はありません。Googleのシステムが検索語句や端末などから成果につながる可能性を予測し、オークションごとに入札単価を決めます。

その入札単価が2米ドルを超えたうえで広告がクリックされると、実際のクリック単価も2米ドルを超える場合があります。成果につながる可能性の予測だけでクリック単価が決まるわけではなく、実際のクリック単価はオークションの結果によって変わります。

アドグランツのオークションシステムの留意事項

有料広告とアドグランツは、同じオークションで直接競う仕組みではありません。Googleは、有料広告の後にアドグランツのオークションが別途行われると説明しています。

アドグランツのオークションでも、入札単価と広告の品質から掲載の可否や順位が決まります。スマート自動入札では、Googleのシステムが検索ごとに入札単価を設定し、ほかのアドグランツと競います。ただし、この入札によって有料広告後に残る掲載機会そのものが増えるわけではありません。

有料広告の競争が強い検索ほど、アドグランツが利用できる掲載機会は少なくなる傾向があります。残った掲載機会では、アドグランツを利用する団体同士で競います。

有料広告主の入札単価が、アドグランツのクリック単価を直接決めるわけではありません。また、オークションの計算方法は公開されていないため、クリック単価が2米ドルを超えた理由を一つの要因には絞れません。

検索キャンペーンの20ドル上限に関する仮説

弊社の実測データでは、手動入札の検索キャンペーンは2米ドル、自動入札として管理した検索キャンペーンは20米ドルで止まる動きが見られました。P-MAXでは150.55米ドルまで確認しているため、20米ドルはアドグランツ全体やスマート自動入札全体の上限ではありません。

Google広告の入札単価調整には、基準入札額を最大+900%、つまり10倍まで引き上げる仕組みがあります。検索キャンペーンの20米ドルが2米ドルのちょうど10倍であることは、この仕組みとの関連を考える材料になります。ただし、スマート自動入札は手動で設定した入札単価調整を使用せず、内部の倍率上限も公開されていません。

現在のデータだけでは、2米ドルの10倍という制約なのか、検索キャンペーン固有の20米ドルという上限なのかまでは分かりません。この関係は、検索キャンペーンのデータに現れた傾向を説明するための技術的な仮説です。集計期間とクリック単価の分布は、Google Ad Grantsのクリック単価はいくら?実績データと助成枠の見方にまとめています。

広告の関連性を高めることが助成枠の活用につながる

アドグランツ同士のオークションでも、検索語句と広告、リンク先の関連性が掲載結果に影響します。関連性の高い広告は、競合の入札が高い場合でも、より低い金額で掲載機会を得られる可能性があります。

必要な入札額を抑えながら掲載機会を得られれば、同じ助成枠でより多くのクリックを獲得できます。助成枠を活かすうえで重要なのは、入札単価を引き上げることではなく、検索する人の意図に広告とリンク先を合わせることです。

スマート自動入札は検索ごとに入札単価を変えますが、広告文やリンク先の関連性そのものを整える仕組みではありません。関連性の高い広告と正確なコンバージョン計測が揃うことで、限られた助成枠を成果につながる検索へ使いやすくなります。

2米ドルと20米ドルの関係は、スマート自動入札の内部を考える手掛かりにとどまります。団体にとって重要なのは内部倍率ではなく、より低い入札で必要なクリックを獲得できる状態をつくることです。

月額利用枠や配信範囲を含む制度全体の制限は、Google Ad Grantsの制限とは?利用枠と広告運用のルールで説明しています。