Google Ad Grantsの有効化審査では、広告のリンク先として使うウェブサイトも確認されます。団体の活動が具体的に伝わり、訪問者が安全に利用できるサイトでなければ承認されません。

当社が支援した審査で特につまずきやすいのは、ウェブサイトから活動内容を読み取れないケースです。団体概要や活動報告があっても、誰のために何をしている団体なのかが伝わらなければ有効化に進めません。日本語を母語とする担当者が審査しているとはほぼ考えられないため、翻訳を介しても意味が通る文章が必要です。

審査のためだけにページを増やす必要はありません。審査担当者にも伝わる具体的な説明は、支援を必要とする人や寄付・参加を検討する人にとっても理解しやすいものです。初めて訪れた人が活動を理解し、次の行動を選べることが、審査とその後の運用に共通する基準になります。

Googleは、承認に必要なページ数や採点基準を公表していません。ウェブサイトポリシーでは、次の要件をサイト全体で満たすよう求めています。

公式要件審査で確認されること
ドメインの所有と管理団体がコンテンツ、構造、技術設定を管理できる
独自コンテンツミッションや活動に関する十分な独自情報がある
ミッションと活動団体が何を行い、誰を対象に活動しているか分かる
ナビゲーションと機能メニュー、リンク、ボタンが正しく機能する
表示品質読み込みが速く、モバイルでも閲覧・操作できる
セキュリティサイト全体がHTTPSで保護されている
サイトの目的ミッションが中心で、広告や営利活動が主目的ではない

一つの項目だけで審査結果が決まるわけではありません。広告のリンク先となるページだけでなく、そこから移動できるウェブサイト全体が対象になります。

有効化審査で伝わるミッションと活動

当社が対応した審査では、団体の活動を具体的に説明できるかが結果を左右しました。法人の基本情報だけでは、ミッションと日々の取り組みまで判断できません。

団体概要だけでは活動内容が伝わらない

団体概要から、取り組んでいる社会課題や活動の対象者まで分かることが重要です。具体的な事業や活動地域も分かれば、団体の全体像をつかみやすくなります。

目指す社会像や理念だけでは、実際の活動までは伝わりません。誰にどのような支援や機会を提供しているのかを説明すると、理念と日々の活動の関係が伝わります。

活動報告や実績があれば、現在の取り組みも伝わります。寄付や相談、参加を受け付けている場合は、利用できる人と申込み方法の説明も必要です。

独自コンテンツはページ数では決まらない

Googleは、ミッションや活動に関する十分な独自コンテンツを求めています。ただし、最低ページ数や記事の更新本数は公表していません。

行政や他団体が公開している社会課題の説明を転載しただけでは、自団体の活動を示したことにはなりません。地域で把握した課題や現場で行っている支援を、自分たちの言葉で説明した内容が独自コンテンツになります。活動から得た知見や実績も、その団体だから伝えられる情報です。

お知らせを定期的に更新していても、イベント告知だけでは活動の全体像が分からないことがあります。記事数よりも、現在の主な活動をウェブサイトから理解できることが重要です。

PDFや動画だけに活動説明を任せない

事業報告書や活動紹介の動画は、団体を詳しく知るための資料として役立ちます。一方、主要な情報をPDFや動画だけに置くと、ファイルを開いたり再生したりしなければ活動内容を確認できません。

ミッションや事業、支援する相手と活動地域は、PDFを開かなくてもウェブページから読める必要があります。PDFや動画は、その内容を補う資料として使うのが適切です。外部サイトの記事を紹介する場合も、自団体のページだけで活動の要点が伝わる内容が必要です。

翻訳しても伝わる日本語で活動を説明する

Googleは、審査担当者の所在地や使用言語、翻訳方法を公表していません。ただし、当社が対応してきた審査では、日本語を母語とする担当者が確認しているとはほぼ考えられません。そのため、公式要件に明記されていなくても、翻訳を介して活動内容が伝わる日本語は必須です。

理念を表す短い言葉や比喩は、団体の印象を伝えるために使えます。しかし、主語を省いた文章や抽象的な表現だけでは、翻訳したときに活動の対象が分からなくなることがあります。「子どもの未来を支える」と掲げるなら、どの地域の子どもへ何を提供しているのかも説明した方が伝わります。

団体内だけで通じる略称や事業名にも説明が必要です。審査のために英語ページを作る必要はありません。日本語を翻訳しても、誰が誰に対して、どこで何をしているのかを読み取れる文章が求められます。

ドメインの所有とHTTPS

活動内容が十分に伝わるサイトでも、団体がドメインを管理できなければ審査の要件を満たせません。安全に接続できることも必要です。

.orgドメインは必須ではない

Googleが求めているのは特定の種類のドメインではなく、団体が広告のリンク先となるドメインを所有し、管理できることです。.orgである必要はありません。

制作や保守を外部へ委託していても審査を受けられます。ただし、コンテンツやサイト構造を団体の判断で変更でき、必要な技術設定にも対応できる状態が必要です。管理権限が委託先にしかなく、団体が修正を指示できない状態では要件を満たせません。

サイト全体をHTTPSで配信する

HTTPSが必要なのは、広告のリンク先だけではありません。ウェブサイト全体をHTTPSで配信し、HTTPのURLへアクセスした場合もHTTPSへ転送されなければなりません。画像やスクリプトをHTTPで読み込む混合コンテンツも解消する必要があります。

外部の寄付フォームや申込みシステムを使う場合は、移動先も安全に接続でき、正常に利用できることが求められます。

追加ドメインにもウェブサイト要件が適用される

登録済みのウェブサイトとは別のドメインを広告で使用する場合は、Google Ad Grantsで追加の承認を受ける必要があります。メインサイトの審査に通っていても、別のドメインまで自動的に承認されるわけではありません。

審査後に追加したサブドメインを広告のリンク先にする場合も、同じウェブサイトポリシーが適用されます。キャンペーンサイトや寄付専用サイトを分けるなら、運営する団体と活動との関係が各サイトから分かることも重要です。

ナビゲーションとモバイル表示

必要な情報がそろっていても、訪問者が見つけられなければ内容は伝わりません。情報の見つけやすさと申込みのしやすさも審査の対象です。

寄付や相談まで迷わず進める

メニュー名とリンク先の内容が一致し、団体概要や活動内容などの主要ページへ無理なく移動できる構成が必要です。リンク切れや準備中のページが多いサイトでは、訪問者が必要な情報へたどり着けません。終了した募集へのリンクも、放置しない方が良いです。

寄付や相談を受け付ける場合は、フォームから送信を完了できる状態が必要です。外部サービスへ移動するなら、団体の正式な申込み先であることが分かる案内も必要です。

読み込み速度とモバイル対応

Googleは、読み込みが速く、モバイルで正しく表示されるサイトを求めています。ただし、承認に必要なPageSpeed Insightsの点数は公表していません。

スマートフォンでも主要な説明を読め、申込みまで進めることがモバイル対応の一つの目安です。画像やメニューが画面からはみ出す場合や、文字とボタンが重なる場合は改善が必要です。

寄付や販売があるウェブサイトの要件

寄付の募集や、ミッションに関連する商品・サービスの提供も認められています。ただし、ウェブサイトの主な目的は団体のミッションに関する情報提供であり、販売が中心になっていないことが条件です。

販売や有料サービスがある場合は、活動との関係や財務情報を明確にする必要があります。第三者広告を過剰に掲載するサイトや、アフィリエイトによる収益を主目的とするサイトは認められません。

寄付を受け付けるページには、安全に利用できる決済や申込みの仕組みが必要です。寄付先となる団体や寄付金の使途が分かれば、訪問者も内容を理解したうえで判断できます。

ウェブサイトが不承認になった場合

当社の対応では、不承認の通知に一つの項目だけが示されることがあります。ただし、その箇所を直せば必ず承認されるという意味ではありません。

Googleが挙げている主な理由は、独自コンテンツの不足やミッションの分かりにくさです。リンクやナビゲーションの不具合、読み込み速度、モバイル表示も対象になります。HTTPSや商業活動に問題があれば、同様に承認されません。

団体概要へ説明を一文追加するだけでは、サイト全体の活動内容や導線が分かりにくい状態は変わりません。原因を一つに決めつけず、通知の内容と公式要件を照らし合わせる必要があります。修正後は、Google for Nonprofitsの有効化画面から改めて審査を依頼できます。

審査後もウェブサイト要件は続く

有効化審査を通過した後も、ウェブサイトポリシーは広告のリンク先に適用されます。リニューアルで変更したページや、後から追加したサブドメインも対象です。

当社の復旧対応では、一時的なアクセス障害や海外からのアクセス制限が強制停止のきっかけになったケースがあります。マルウェアによる改ざんが原因になることもあるため、審査時だけ整っていれば良いわけではありません。

ウェブサイトは審査資料ではなく、検索から訪れた人へ活動を伝え、寄付や相談を受け止める広告運用の基盤です。活動内容が伝わり、ページが正常に動く状態を保つことが、アドグランツを継続して活用する条件になります。強制停止が発生した場合は、Google Ad Grantsが強制停止されたときの復旧方法で復旧の流れを解説しています。