NPOサイトのSEOは、活動について調べる人の疑問へ答え、寄付や相談などの重要ページへ案内する情報設計から始まります。記事数を増やすことや、タイトルへキーワードを並べることが出発点ではありません。

実際の運用では、団体が普段使う言葉と、支援を必要とする人が検索する言葉にずれがあります。自然検索やアドグランツの検索語句は、サイトでまだ答えられていない疑問を見つける手掛かりになります。その疑問に答える情報を増やすことで、団体名を知らない人にも活動を知ってもらう機会をつくれます。

一枚のランディングページですべての検索を受け止める必要もありません。検索意図に合うページを入口にして、内部リンクから見てもらいたいページへ導きます。SEOの評価と広告の掲載機会は別の仕組みですが、どちらにも必要なのは検索する人へきちんと答えるサイトです。

NPOのSEO対策はサイト全体の情報設計から始める

活動について調べる人が、知りたい情報を見つけられる構成が大切です。どのページに何を書くかは、読者が知りたいことに合わせて考えます。

社会課題の背景を知りたい人と、支援を利用したい人では必要な情報が違います。寄付を検討している人も、すぐに申込方法だけを見るとは限りません。それぞれの疑問へ答えるページがあり、活動紹介や寄付ページへ自然に進めることが大切です。

サイト全体を一度に作り直す必要はありません。まず相談や寄付につながる重要ページを一つ選び、その手前で読者が知りたいことを確認します。足りない答えを別の情報ページへ置き、二つをつなぐところから始めます。

検索意図ごとに情報ページを分ける

一ページの役割は、誰が何を判断する場所なのかで決めます。対象者が変われば、検索する言葉も必要な説明も変わります。

たとえば、子どもの居場所を探す保護者には、対象年齢や開催場所をすぐ確認できる案内が必要です。寄付を考える人には、なぜ支援が必要で、寄付が何に使われるのかを伝えるページが必要です。両者を一つの「活動紹介」へ詰め込むと、自分に必要な情報を探しにくくなります。

キーワードを入れることが目的になると、読者の疑問に答えない文章になりがちです。現場で実際に受けている質問も参考にすると、必要な説明を具体的に考えやすくなります。公開後の検索語句は、想定した問いと実際の探され方のずれを直すために使います。

活動ページに必要な情報とコンテンツ

活動ページには、その人が自分に関係する情報かを判断できる内容を置きます。対象となる人と活動内容を明記します。利用条件と運営主体も分かれば、次に進むかを決められます。

文字数を増やすより、利用を検討する人に必要な情報がそろっていることが大切です。必要な条件が未定なら、推測で埋めずに決定時期や問い合わせ先を示します。活動実績や根拠となる資料がある場合は、本文から確認できる場所へ案内します。

重要な条件を画像やPDFだけに置かないことも大切です。募集要項をPDFで配布する場合でも、対象者や申込期限などの要点はHTML本文へ残します。スマートフォンで読みやすくなり、情報が変わったときの更新漏れも防ぎやすくなります。

ページタイトルと見出しの付け方

ページタイトルには、そのページだけの主題を具体的に書きます。「活動紹介」「お知らせ」「詳細」だけでは、検索結果を見た人が内容を区別できません。

主見出しも同じ主題にそろえます。Googleのタイトルリンクは、title要素だけでなく、ページ上の主見出しや目立つ文字などから生成される場合があります。設定したタイトルが必ずそのまま表示されるわけではありません。

不登校相談のページなら、対象地域と相談内容が伝わるタイトルにします。団体名は識別に必要な範囲で加えます。寄付や採用など、別の目的まで同じタイトルへ詰め込む必要はありません。

内部リンクで重要ページへ案内する

情報ページを読んだ後に、次に見るページが分かるようにします。記事から相談ページへ進めないと、読者はメニューから探し直すことになります。

リンクの文字は「こちら」や「詳細」ではなく、移動先の内容が分かる言葉にします。課題を説明する記事から相談条件へ、活動報告から寄付の使途へつなぐと、読者は移動する理由を判断できます。Googleも通常のa要素にあるhrefをたどり、リンク先を発見します。

XMLサイトマップは重要なURLの発見を助けますが、内部リンクの代わりではありません。サイトマップへ載せても、すべてのページがクロールやインデックス登録をされる保証はありません。読者がサイト内をたどれる状態を先に整えます。

クロールとインデックス登録の技術要件

内容を改善する前提として、Googleがページへアクセスできる状態を確認します。最低限必要な技術要件は三つです。Googlebotを遮らず、ページがHTTP 200を返すようにします。インデックス登録できる内容も必要です。

公開したいページにnoindexが付いていないかも確認します。robots.txtでGooglebotを止めていないことも必要です。一方、会員向け画面や申込完了ページなど、検索結果へ出さないページとは設定を分けます。

HTTP 200でも、画面に「見つかりません」と表示するソフト404では正常な公開といえません。終了した募集には終了した事実と現在の案内先を残し、削除したページとは扱いを分けます。技術要件を満たしても、インデックス登録や上位表示が保証されるわけではありません。

URL変更と重複ページの整理

日本語のURLはGoogle検索で利用できます。日本語だから不利という理由だけで、公開済みのURLを英数字へ変更する必要はありません。

同じ内容が複数のURLにある場合は、代表となるページを決めます。内部リンクとサイトマップをそのURLへそろえ、必要に応じてrel="canonical"で正規URLを伝えます。ただし、最終的にGoogleが別のURLを選ぶ場合があります。

URLを変更するなら、旧URLから新URLへ恒久的に転送します。検索以外にも、広告や過去のメールから訪れる人がいるためです。表記を整えることより、すでにある導線を切らないことを優先します。

コンテンツ更新と古いページの扱い

更新で優先するのは、利用条件や開催日時など、読者の判断に影響する事実です。内容を変えずに日付だけ新しくしても、検索順位を上げる方法にはなりません。

新しい活動実績は活動報告として残し、現在の利用条件は固定ページへ反映します。この二つを分けると、継続的な発信と最新案内の役割が混ざりません。

終了したページも、活動実績として参照する価値があれば残せます。その場合は募集が終わっていることと、現在利用できる案内先を明記します。同じ内容が別ページにあり、独立して残す意味がなければ統合先へ転送します。

Search Consoleの登録と管理権限

Search Console(サーチコンソール)は、Google検索でサイトがどのように表示されているかを調べる無料のツールです。登録そのものに検索順位を上げる効果はありませんが、情報発信を改善する材料が得られます。

登録時には「プロパティ」という単位で対象サイトを指定します。ドメインプロパティはサブドメインも含めて扱い、DNSの設定で所有権を確認します。

URLプレフィックスは指定したURLで始まる範囲が対象です。こちらを選ぶ場合はHTMLタグなどでも所有権を確認できるため、DNSを変更できないときの選択肢になります。

団体側が所有権を持ち、制作会社には必要なアクセス権を付与する形にしておくと、委託先が変わってもデータを引き継げます。すでに登録されている場合は、現在の所有者から権限を付与してもらえば利用できます。

検索語句とコンバージョンで効果を測る

Search Consoleの検索パフォーマンスでは、検索語句やページごとの表示回数とクリック数を確認できます。団体名以外にどのような言葉で見つけてもらえているかを見ると、読者の関心と現在の発信内容を照らし合わせられます。

検索語句にはプライバシー保護などによる表示上の制限があり、すべての検索が一覧に出るわけではありません。アドグランツを運用している場合は、広告側の検索語句も情報発信の参考になります。ただし、広告の実績と自然検索の実績は別のものです。

相談や寄付が成立したかは、アクセス解析と受付側の記録で確認します。検索クリックを成果件数へ読み替えてはいけません。入口と完了を分けて見ることで、足りないのが検索上の接点なのか、ページを読んだ後の導線なのかを判断できます。

検索語句は、順位を見るためだけのデータではありません。団体がまだ十分に説明していないテーマを見つける材料にもなります。検索語句から分かった関心を、次の情報発信に活かせます。

SEO改善は一ページから広げる

サイト全体を一度に作り直さなくても、相談や寄付につながる一ページから改善を始められます。最初に選ぶのは、アクセスが多いページとは限りません。

たとえば、相談を検討する人から同じ質問を繰り返し受けているなら、その答えをページに加えることも改善の一つです。関連する記事から案内できれば、検索で訪れた人も相談の条件を確かめやすくなります。

読者に必要な情報をそろえ、検索語句や問い合わせの変化を見ながら、ほかのページへ改善を広げていく。その積み重ねが、団体名を知らない人にも活動を見つけてもらえるサイトづくりにつながります。