Google Ad Grantsは、承認後にGoogle広告の管理画面から利用します。広告を作る前に、検索した人を案内するページと、そこで測る成果を決めます。
承認されても、最初のキャンペーンを作れずに止まっている団体があります。広告を配信できた後も、月額の利用枠を使うことが目的になると、活動に合わない検索からクリックを集めやすくなります。
対象は、Google for Nonprofitsの団体確認とアドグランツの有効化を終えた団体です。申請前の確認はアドグランツの利用条件で説明しています。
Google Ad Grantsの管理画面と広告アカウント
Google for Nonprofitsは、団体情報と利用するサービスを管理する場所です。広告の作成と配信後の確認は、Google広告の管理画面で行います。
アドグランツの申請と設定に使用したGoogleアカウントでGoogle広告へログインします。同じメールアドレスで複数の広告アカウントを管理している場合は、画面右上から対象のアカウントへ切り替えます。
通常の有料広告アカウントが表示されることもあります。アカウント名だけで分からない場合は、10桁のお客様IDで見分けられます。ここを取り違えると、作成したキャンペーンはアドグランツの利用枠では配信されません。
広告の目的は成果地点から決める
アドグランツの目的は、広告を表示することではなく、団体が必要とする接点を増やすことです。最初に成果地点を決めると、検索する人と案内するページを選びやすくなります。
寄付を増やすなら、寄付ページへの訪問ではなく寄付完了が成果に近い地点です。相談を受け付ける事業では、活動の対象に合う相談が送信されたかを見ます。広告のクリックは、どちらも完了までの途中にあります。
「認知を広げる」だけでは、どの検索へ広告を出すか決まりません。活動を知った人に次に読んでほしいページや、そこから進んでほしい行動まで定まると、広告が担う役割が明確になります。
キーワードの選び方は検索する人と入口ページから考える
検索広告では、団体が伝えたい言葉と、必要な情報を探す人が入力する言葉が一致するとは限りません。活動名からキーワードを作る前に、どのような状況で検索されるのかを考えます。
たとえば、若者支援を行う団体でも、検索する人は「若者支援」という事業分野の名前を使うとは限りません。年齢や困っていることから相談先を探す場合もあれば、寄付者が支援方法を調べる場合もあります。同じページで両方へ答えようとすると、検索語句と広告の関係が曖昧になります。
弊社では、一枚の専用ランディングページへすべての広告を集める方法を基本としていません。検索する人の疑問に合う情報ページを入口にして、サイト内から寄付や相談などの重要ページへ案内する設計を推奨しています。
サイト全体に十分な情報があれば、これまで団体が想定していなかった検索にも答えられます。反対に、検索へ答えるページがなければ、キーワードと広告文だけを増やしても関連性はつくれません。
検索キャンペーンとP-MAXの使い分け
現在のアドグランツでは、キャンペーン作成時に検索キャンペーンまたはP-MAXを選べます。操作の簡単さではなく、検索をどこまで指定したいかと、信頼できるコンバージョンがあるかで判断します。
検索キャンペーンで検索語句を確かめる
検索キャンペーンは、キーワードと広告文、リンク先の関係を自分で設計できます。どの検索語句で表示され、何がクリックされたかを見ながら、団体の活動と合う検索を見つけたい場合に向いています。
アドグランツの検索キャンペーンでは、Google検索パートナーとGoogleディスプレイネットワークを配信対象から外します。キャンペーンの目的と対象地域を決めた後、近い検索意図のキーワードを広告グループへまとめます。
サイトに複数の情報ページがある場合、当社では全ページを対象にした動的検索広告から始める方法を推奨しています。広告へ使わないページを除外し、検索語句と選ばれたリンク先から次の改善へ進みます。詳しい初期構成はGoogle Ad Grantsで動的検索広告を始めるで説明しています。
P-MAXで成果に合う入口を広げる
P-MAXは、寄付やボランティア登録など、明確なコンバージョン目標がある場合の選択肢です。Googleの自動化を利用し、成果につながる可能性がある検索とページの組み合わせを広げます。
弊社では、サイト全体に検索へ答えるページがある場合に、最終ページURLの拡張を活用しています。主要なコンバージョンを正確に計測できることも条件です。クリックやページ表示を主要な成果にすると、自動化が団体の望む行動とは異なる方向へ配信を広げる可能性があります。
P-MAXと検索キャンペーンのどちらか一方が、すべての団体に適しているわけではありません。検索語句を細かく確かめたい段階と、確認済みの成果地点をもとに入口を広げる段階では役割が異なります。
キーワードと広告とリンク先を同じテーマにする
検索キャンペーンでは、設定項目を埋めることより、一つの検索意図が広告からページまで続いていることが重要です。広告グループが、そのまとまりを管理する単位になります。
たとえば、相談先を探す人と寄付先を探す人では、知りたい内容も次の行動も異なります。キーワードを一つの広告グループへ混ぜると、どちらにも合わない広告文が表示されやすくなります。相談に関する検索は相談内容が分かるページへ、寄付に関する検索は活動と寄付の使途が分かるページへ案内します。
キャンペーンは目的や対象地域、広告グループは検索テーマで分けると、配信後の結果を読みやすくなります。地域設定も団体の所在地だけでは決まりません。相談を利用できる地域と、寄付者へ案内する地域が異なるなら、キャンペーンを分ける理由があります。
広告文には、リンク先で確認できる内容を書きます。検索に合わせるために、ページにない支援内容や対象地域まで広げると、クリック後に期待とのずれが生まれます。
コンバージョントラッキングで寄付や相談の完了を測る
コンバージョンは、広告を見た人に進んでほしい地点をGoogle広告へ伝える設定です。自動入札が参照するため、配信を始める前後で正確に計測できる状態が必要です。
寄付や相談を目的にする場合、ホームページの表示や短い滞在時間を主要な成果にはしません。寄付完了ページや相談フォームの送信完了など、団体にとって意味のある行動を計測します。
外部の寄付システムを使うと、自団体のサイトから別ドメインへ移動することがあります。完了まで計測できなければ、寄付ページへ移動した数と実際の寄付を区別できません。ブラウザ上の完了はGoogle広告で測り、着金や有効な相談は団体側の記録で確認します。
コンバージョンの決め方と外部システムを含む計測は、寄付完了を目標にする計測の考え方で詳しく説明しています。
月1万米ドルの利用枠を配信目標にしない
月額最大1万米ドル分は、アドグランツの広告オークションで使える月ごとの利用枠です。同額の金銭的価値があるわけではなく、全額の配信も保証されていません。
検索される回数が少なければ、広告を表示できる機会も増えません。利用枠を使うために関係の薄いキーワードへ広げると、クリック数が増えても寄付や相談から離れることがあります。
反対に、利用額が小さくても、必要な検索から成果が生まれているなら無理に広げる必要はありません。助成枠の消化額ではなく、団体が増やしたい接点を基準に運用します。
検索語句レポートと成立した成果を見比べる
広告の公開後に見るのは、表示回数やクリック数だけではありません。どの検索語句から訪問し、サイト上で何が完了し、団体ではどの成果が成立したかをつなげます。
活動と関係の薄い検索が多ければ、キーワードの範囲や除外設定が判断の中心になります。必要な検索からクリックされても完了しない場合は、広告よりリンク先やフォームに改善の余地があります。計測上は完了していても寄付の着金や相談の受付につながらなければ、計測地点か受け入れ条件との間に差があります。
検索語句には、団体がまだページで答えていない疑問も現れます。広告だけを調整せず、必要な情報をサイトへ追加すると、同じページを自然検索からも見つけてもらえるようになります。この循環が、弊社がアドグランツとSEOを一緒に考える理由です。
広告がほとんど表示されない場合は、キーワードを増やす前に状態を分けます。検索需要がない場合と、広告がオークションへ参加できていない場合では修正する場所が異なります。Google Ad Grantsで広告が表示されない原因と確認方法で詳しく説明しています。
最初のキャンペーンで、団体の活動をすべて広告にする必要はありません。一人の検索者と一つの検索テーマを選び、その人が読むページと完了地点が結び付けば、配信後に改善できる範囲が見えてきます。